9/09/2007

経験価値マーケティング

 
 
◆「経験を売る」という戦略コンセプト

アップル社がお客様に提供するのは、 [iPod] という商品だけでなく、
 
音楽を編集したり他のユーザーとプレイリストを交換するための
 
ソフトウェア [iTunes] や、99セント/一曲単位で楽曲が買える
 
[iTunes ミュージックストア] である。
 

さらにお客様は、アップルストアで使い方を学んだり、様々なことを無料で
 
相談できる。
 
 
これらのことを、
 
アップル社が[iPod] のコモディティ化を避けるためにしくみ化をしたのだと、
 
方法論として理解されているが、
  
お客様の期待に応える“経営者の想い”まで踏み込んで理解することが
 
重要である。
   
 
これらはすべて、
 
お客様が音楽を楽しむために必要な経験環境を整備するという考え方に
 
基づいており、
 
従来のモノ(商品/サービス)の機能、便益(F&B)を提供するという思考の
 
枠組みとは異なっている。
 
 
 

◆経験価値マーケティング
 
顧客ニーズを充足する商品の機能・便益(F&B)や品質といった商品、
 
サービスそのものの価値ではなく、お客様が購入したり使用する過程の体験
 
から得られる経験価値を、お客様とともに創り出すための“経験環境”を
 
デザインする。
 

*企業の視点で価値を定義し、商品、サービスをつくり、お客様に価値として
 
  提供する、価値提供モデルの限界
  
*新商品によるリセット型マーケティングおよびSTP型マーケティングの限界
  Segmentation(市場)/Targeting(顧客)/Positioning(商品)

*「プロダクトアウトではなく、マーケットイン」、「顧客の視点でモノづくり」などの
 
  考え方は、製品・サービスを提供するという考え方に帰着

*企業が提供できるのは、その経験を形成する環境(経験環境のデザイン)で
 
  あり、 経験そのものをコントロールすることはできない
 

0 件のコメント: